まだ見たことないのだけど…..壺が飛んでいるらしい
インドの空の下、今日も壺は飛ぶってなんだ?
これはインド人のイスラム神秘主義スーフィ教の人に聞いた話。なんでも、壺が呪いを乗せて、夜、空中を飛ぶらしい。日本人としては「うそぉ」と片方の眉毛を上げたいところだが、語った本人は大真面目だ。
事の次第を大まかにいうと、例えばAがBを妬んだとする。そこで、Aは町のブラックマジックのうまいお坊さんのところに行き、Bに呪いをかけてくれと頼むのだが、お坊さんはその呪いを壺に封じてBのところに飛ばすのだ。
「なんで、壺なの?」と聞いたが、「そういうもの」なのだそうだ。壺がふらふら飛んでいるのを想像して、思わず笑いそうになった。
日本では「人を呪わば穴二つ」とか言われて、呪いなんかかけても、結局、自分に返ってくると思われているし、土台、道徳的にみても決して褒められたことじゃないので、呪いをかけるなんて普通しないけど、私が聞いた限りだと、インドではブラックマジックは日常茶飯のことらしい。
だから、ちょっと商売が傾いたり、体調が悪くなったりすると、「誰かがブラックマジックをかけた」ということになり、そのブラックマジックを無効にしてもらうために町のお坊さんに行く。占いと同じく、一大産業だ。
呪いをかけるのにいくらかかるのか聞いてみたが、さすがに答えてもらえなかったので、ブラックマジックを無効にしてもらうための費用を聞いたら、その呪いの強度にもよるが、2000ルピーから5000ルピー(4000円~10000円ぐらい)といったところらしい。結構な額だ。もちろん、商売にしていないお坊さんはただである。
ところで、話を聞かせてくれた人の行きつけのお坊さんは、ブラックマジックの有無や、不調の原因などを調べる時にジニーを使うという。ジニーって、ディズニー映画で魔法のランプから飛び出してくるあれ。お坊さんはジニーを師匠から譲り受けることもあるが、自ら作り上げることもできるという。もちろん、長い修行が必要なのは言うまでもない。
因みに、インド北西部ベンガル地方のブラックマジックが最も強力らしい。
ジニーについてはまた後日。